「 羽越のセリカ ヨーロッパ探検紀行 」      〜  13  〜


     TGVは17:40頃だったかな?定刻なのかはわからないがとりあえずローザンヌ駅を無事に発車をした。
     車内では早速お弁当が配られ食事となった。
     単なる幕の内弁当って感じの品と日本茶だったが、安いツアーなので仕方あるまい。
     
     旅も終盤に入りまたバスト違い自由に席が移動出来る列車という事もあり
     席を移動しては新しくできた仲間らとのおしゃべりが続いた。
     どのくらい時間が経っただろう、順調に走っていたTGVだったが畑の真ん中でスピードを落とし停車をした。
     ???
     なんだぁ〜何が起きたんだ?
     なんとなく街は近いようだが・・・


                    10分位停車しただろうか、進行方向右手遠方よりTGVが近づいて来た。
                    あれれ・・・TGV?
                    そこに線路があったんだ!
                    TGVは近づくに連れてこちらの進行方向と同じ方面に大きくカーブをして走り抜けて行った。
                    まもなくこちらの列車も発車。


             しかしびっくりした!雰囲気からしてこの先の駅で他方面から来たTGVと併結するようだ。
            (何駅だったかこれも書き留めていない)
            駅ではホーム真ん中で一旦停止。
            そしてスルスルスル〜っと少し前に進んだ所で「ゴッツン」と、さほどショックもなく連結が終了した。
            ・・・しかし確か10両編成だったからこれでトータル20両?!

                         Japan しか知らないと世界の常識に腰を抜かす次第。。。。
                         ホントマジ20両!って感じ(笑)

                         ・・・でもなかなかこの駅を発車しない。
                         いよいよここからストライキの洗礼が始まったようだ・・・・


                       20分位停まっていただろうか、列車はようやく走り出した。


          北海道ではほとんど列車に乗ったことはないが
          イメージ的に北海道の平原、なだらかな丘の中を走っていく。
          特に大きな柵が有るわけでもなく牧場が広がっていたり。
          どこでも撮影地だ♪
          停車駅もまた日本の新幹線のようにどの駅も高架で立派な造りとなる駅とは違い
          地平ホームでただのローカル駅って感じる駅が多い。

          ビッフェ車輌では知り合った友人と東京なまり、名古屋なまり 「あんカフェ しるぶぷれ〜」
          とようやく通じているであろうフランス語、1杯頼むたびに笑いが止まらなかった。
          (  何故か車内では写真を撮っていない うかつでした(汗)  )




           変わらぬ景色だったが、途中から専用軌道に入り先ほどよりはスピードが上がった。
           余談ながら興味が無いということは恐ろしいことで、TGVが走行する路線は
           ローカル線と専用線が有ることすら知らなかった。   
           しかし全速で走る時間は少なかった。
           だらだらとした走行、そしてストップ&GOを繰り返したため
           フラン スリヨン駅には22時をまわる頃ようやく到着した。
   
   「 着いたぞ!ここがリヨンかぁ〜♪ 」
   今まで見てきたラウンド型の天井駅とは違い、一回りも二回りも大きく感じる駅だった。
   ソフィーマルソーが大好きな私は「ラ・ブーム」を思いながらホームを歩き外にでた。

   きらびやかな街を送迎バスで進む。
   今回のツアーの中で一番街のネオンが輝いている。
   右に左に視線は釘付け♪
   バスはツアー客それぞれのホテルを廻り、新凱旋門の近く、私の泊まるホテルに到着したのは24時近かった。









            日付も変わり、今日の午前中はバスで市内観光。
            外はあいにくの雨。
            ツアー移動中の雨は何度かあったが、観光中に降られたのはここが初めてだった。
            しかし予報によると午後から天気は回復すると伝えていたのであまり気にはならなかった。

  旅も終盤に入り疲れがたまってきたのか目覚めが悪い。
  バスの中では目をこすりながら記憶遠く添乗員のガイドを聞いていた。
  雨でにじむ窓を見つめ・・・
  市内は昨日からのストライキが続いており渋滞が激しい。
  東京よりもきわどい車の運転を見ていると、よく事故が起きないモノだとただただ関心。

                   
                              ストライキで渋滞する市内



               さすが美術をうたう街フランス。
               車窓からでもその雰囲気は十分に伝わってくる。
               銃弾跡が残る(壁が穴だらけ)建造物をそのまま残してあったり
               かなり、相当意外な場所に「考える人」の像があったり
               初めて見るリアルな街の空間に心を奪われていく自分がいた。




           バスはようやく渋滞をくぐり抜け、街の中心部のエッフェル塔に到着。
           残念ながらストライキの影響で塔の中に入る事は出来なかったが
           景観にとけ込む空間のバランス、塗色、そして東京タワーとは違って
           骨太な重厚感ある足の造りに圧倒された。
           また単に高い、低いとかのレベルで東京タワーと比べてはいけない建築物だと感じた。
                                                  


    見学も終わりバスはまた走り出したが、すぐにトイレ休憩のためコンコルド広場で停車。
    あれれ?なんだか列車が展示してあるように見えるぞ・・・
    凄い数の車輌がずっと奥まで続いているみたいだぞ・・・
    ゆっくりと車輌を見に行きたかったのだが、ここではあくまでトイレ休憩。
    私の気持ちなど知るすべもなく、バスはすぐに出発となってしまった。

              渋滞もなんのその、細かく設定された市内見学も11時前には終了。
              少々時間が早かったが、ルーブル美術館のそばにあるカフェで早めの昼食を取ることにした。
              ハーフのハーフサイズ(4分の1)のピッツァを注文したのだが
              一切れが異常にデカイ!誰がこんな大きいピッツァを食べるんだと
              思うほどに一切れが大きかった。
              ( これも写真が無い )


                            
                                市内の建物の中をくぐるように道は続いている!!






    限られた時間の観光なので、サクサクと食事を済ませルーブル美術館へ向かった。
      
      
    歩くこと数分でルーブル美術館に到着。
    しかしここでルーブルの洗礼を早速受けることになる。
 
    今回はツアーガイドさんのご好意で館内を案内してくれる事になっていた。
    しかし注意事項として、ここでは契約したガイド以外案内をしてはいけないという事を知らされていた。
    友人のように何気なく会話調で説明するので友達同士のように振る舞ってくれという事だった。

    入場するには普通にチケットを買って入るのだが、その時点で警備員にばれてしまい
    ( 館内はすべてモニタリングされているようだ )
    ガイドさんはいきなり腕をつかまれ連行・・・・

    ガイドさんと皆で一生懸命弁明をし何とか見逃してもらったから良かったものの
    マジ大変な事になる所だった。

    館内はグループになるな、2〜3人でバラけて行動しろと指示を受けた。
    ( 怖い! )




                                          
                                           ルーブル入り口のモニュメントにて




 館内はオープンな雰囲気でギスギスした日本とはまるで違う。
 展示のしかたも何か縛られた感じが無く見ようと言う気持ちにさせてくれる。
 館内では写生する美術家?(学生)にフランスのヨーロッパの文化を感じた。
 写真撮影もストロボ禁止だが撮影は普通にOK♪


                       
                                       広々とした館内。
                            まともに見ていたら2日位掛かりそうな展示物の多さだ。





         照明、展示のレイアウトなどは日本の美術館とは桁違い。
         創造性をかき立てる自由な空間が広がる。
         本当に美術が好きな人達がパリに住みたくなる気持ちがよぉ〜く分かった気もする。
         
         他の絵が大きすぎて麻痺しているのか、期待をしていたモナリザの絵は以外と小さくガッカリ。
         しかしまぁ本物を見たという満足感はひとしおだ! (モナリザは撮影禁止)

                                 
                                     サモトラケのニケ 〜勝利の女神〜



    コンコルド広場が気になり足早に済ませたつもりも、軽く2時間が過ぎようとしていた。

    さてさて次なる目的地はコンコルド広場♪
    勉強は出来ないが、午前中バスが通った道を覚えていたので
    コンコルド広場までは迷わず行けるはず♪


       ルーブルから歩くこと25分無事コンコルド広場に到着
       現地に着いて驚いたのは、ここから凱旋門に続くシャンゼリゼ通り(約1キロ)まで
       展示車ごとにバラストを敷きつめ線路を敷設し車輌展示をしている事。
       (日本だったら馬場先門辺りからお堀の周りに列車を展示してあるような感じ!)
       海外はやることがデカイなぁ〜
       とても雨に濡れてはいけない木造車輌や戦時中の車輌、そして近未来のデモ車輌まで展示している。
       果たして何両の車輌が展示してあるのだろう!



                 受付でパンフレットを頂き説明文を読むと
                 2世紀にわたる鉄道の紹介が書いてあった。
                 大きくは
                 「イベントの目的は鉄道の魅力を知ってもらうこと」
                 「国営企業(SNCF)の鉄道員の仕事を様々な視点でとらえていただきたい」
                 と言う事らしい。



      さてさて30両以上ある車輌をどう撮影して行こうか・・・
      ( 展示車輌は別途 La SNCF pre`sente L'exposition LE TRAIN CAPITALe で紹介 )

                    まずはコンコルド広場に半扇形に展示してある近未来車輌から。
                    ここでは室内に乗れる車両がほとんどで
                    優雅な室内造りに言葉が出なかった。
                    日本でもこのような発想をもった車輌が出来ないのかな?
                    色使い、空間の作り方が本当に上手だなと感心しまくっていた。

                          
                                コンコルド広場にて




           TGVの展示スペースでは運転席に乗れると言うことで、1時間程並び運転席へ。
          いっぱい聞きたい事があるのにさすがに質問は出来ない・・・
          20才位の若い子が色々指を差して質問していて羨ましかった。  涙!
          TGVの車内は新幹線の運転席とは大きく違い、狭くてトラックみたいな雰囲気だった。
          エアコンの吹き出し口も車の部品かと思われる代物だった。
          10分ほどの説明だったが一生忘れられない思い出になるだろう。

                         
                           ハンドルとウインカーがあるような作りの運転台




         TGVの興奮も冷めぬまま次々と珍車を撮影していった。
         見た感じかなりオールドタイプの機関車も何でこんなにスピードが出るのかといった具合で?
         ( 相変わらず頭の引き出しの少なさにあきれるばかり )
         
        ・・・もっと良く観察したいのだが、時間も無く全展示車輌を写すだけで精一杯だった。





    この紀行文はすべてフィクションであり実在の人物・実在の話しとは異なります。
    「セリカのヨーロッパ探検紀行」その13 終わり

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