「 羽越のセリカ ヨーロッパ探検紀行 」      〜  2  〜


  改札のない入り口からホームに出るとダブルデッカーが止まっていた。
  おお〜いきなりダブルデッカー!
  海外の車輌なんて生涯目にすることなんて無いと思っていただけに、空を仰ぎしばし時の中に立ちつくした。


  ・・・さぁ〜撮るよ!気合い十分
  記念のファーストショットはダブルデッカーには悪いがその奥にいた機関車を狙った。
  更には一緒に記念撮影(笑)
  そしてダブルデッカーと目にする物すべて仕留めていく。


       








  しばらく撮影していて気付いたのだが、発着する車輌は客車列車が多い。
  しかも客車の最後尾に制御装置があるのか、機関車を最後部になる形態での運転が行われている。
  飛行機から見えた異様な光景はこれだったのかぁ〜
  さらに度肝を抜いたのは客車編成の中間に機関車が挟まり
  運転されている姿を見たときにはさすがに言葉を失った。 ( 写真が無くてごめんなさい )




  そういえば先ほどからホームを縦横無尽に自転車がうろちょろしている。            
この国では自転車を列車に載せて移動する事が日常的に行われているようだ。
日本では自転車を載せられる車輌があまり一般的ではないので
このような光景を見ていると日本はまだまだ遅れているなぁ〜と。
日本ももっと共存出来る車輌造りをすれば乗客にとっては
とても便利だと思うのだが。
顧客志向を問われる時代にまだ「乗せてあげてる」という
体質が残っているのせいだろう。
それでも3セクやローカル線はだいぶ変わったのかなぁ・・・
例えばデータイムの羽越線など自転車を載せる事など
まったく問題無いと思うのは私だけだろうか。
まぁ〜近い将来日本も自転車積載当たり前がきっと具現化している事としよう。





  車輌撮影も一段落し施設物を見回していると自動券売機&時刻表らしきものを発見。
  おもむろに優等列車の時間を探る。
  ICE?何か聞き覚えのある言葉だなぁ〜
  これはなんだか良い車両が来そうだ!
  あとはIC・・・

主な列車の種類
ICE 
インターシティー・エクスプレス
都市間新幹線

EC 
オイロシティー ヨーロッパ
都市間特急

IC 
インターシティー 
都市間特急

IR 
インターレギオ 
地域間急行

RE 
レギオナル・エクスプレス 
快速
(参考文献 ドイツ観光局HPより )




  とりあえずICE到着までにはまだ1時間くらいあるので、南側ホーム先端に向かった。
  先端部には跨線橋がかかる。(とにかくホームが長い)
  その橋からは各ホームに通ずる階段が有る。
  改札の無い特有の施設なんだなぁ〜と。
  


  跨線橋に昇ると中央に路面電車が併設されいる橋だった。
  駅を背にして南側にはトンネルが見えた。
  トンネルは新線の工事をしているのか
  近々大規模な線路移設が行われそうな状況だった。
  また右手には保線区のような施設があり
  旧型機関車と、スイッチャーらしい車輌が見えた。

  トンネルから出てくるアングルが良かったので
  跨線橋から何本か列車を待つ事にした。



  楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
  時計を見ると ICE到着の時間が近いのに気付きホームへ戻ることにした。
  駅中央にあるベンチに腰掛けて待とうかと思っていると
  今度は目を疑うようなカラーリングの車両が入線してきた。
  慌ててまたさっきまでいたホーム先端へ逆戻り。
  撮影をしようとすると機関士がホームに降り(制服?は私服と思われるほどラフな感じ)
  前面の窓をデッキブラシでごしごしと洗いだした。(京急でよく見る光景)

私は鉄道員を初めて写す事になり肖像権が気になり遠慮がちに1枚。
さりげなくもう1枚2枚と・・「大丈夫かな」?おこられないかな?
語学が堪能なら話しかけて質問できるんだけど・・・
まもなく発車のアナウンスが響くと機関士は乗務員室に乗り込んだ。
窓を開け後方確認。
列車が動き出し私の横を通過する瞬間
運転士はにこやかに手を振ってくれた。
(マジかよ!〜と心の叫び)
慌ててこちらも手を振り返す。
なんだなんだそ〜なんだ!そーならもっと近づいて撮れば良かった!






  そうこうしている間にドイツの西陽をあびながらICEが入線してきた。
  すげ〜 ICE モノホンだ!(古いことばだなぁ〜)
  JR九州の白いかもめに似たタイプの車輌だ!
  うう〜んやっぱ本物は「カッコエエ〜」
  何か品があるよなぁ〜
  優雅さが違うよなぁ〜
  などなど思っている間に発車の時間となってしまった。
  側面からの形式撮影もしたかったが反対の
  ホームには列車が止まっていて
  綺麗に撮影が出来なかったのが残念だった。






  ICE の撮影も済みまったり加減でベンチに腰掛けていると
  何度か見た標準的な機関車がトンネルから出てきた。
  撮影はせずみとれていると客車の途中からク5000に似た車載貨車が連結されていて
  慌てて手元のカメラを振り回し撮影。




ショックぅ〜!
まさかあんな車輌がいまだ現役だなんて!
しかも旅客と貨車が併結だなんて (ーー;)


・・・トホホ






            




構内は何ていったら良いのか〜
架線の張り方が路面電車のよう!
日本にはあまり見られない光景かと・・・
















  駅前では辞典丸投げの言葉でコーヒーを注文したりアイスを食べた。
  21時も過ぎるとようやく陽も沈みかけてきた。

  沈みゆく夕陽を眺めていると
  異国に立つ不思議な気持ちを持つ自分や、人生の想いが頭を過ぎってゆく。
  ここはドイツ。
  空ははどこまでも広く優雅に明日への希望を与えてくれる。
  
  初海外初日から夕陽が見られる幸運に感謝。





  駅に戻ったのは確か22時頃。
  ちょっと不安ながらもタクシーで宿に帰ろうと運転手にホテルの名前を告げた。
  私はホテルまでの道を覚えていたのだが
  運転手は途中1本道を間違早く曲がってしまった。
  その時はこのままどこか遠くに連れ去られてしまうのかとドキドキだった。
  しかし運転手はすぐミスコースに気付き
  Oh〜ナンチャラカンチャラと言いながらUターン。
  テッチャン初日は無事ホテルに帰ることが出来た。


      長く長い人生初海外初日は、夢のごとく過ぎていった。
      楽し過ぎる!!



   この紀行文はすべてフィクションであり実在の人物・実在の話しとは異なります。
    「セリカのヨーロッパ探検紀行」その2 終わり

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