「 羽越のセリカ ヨーロッパ探検紀行 」 〜 1 〜
2003年5月XX日私にとって初めてヨーロッパを巡るチャンスが訪れた。
成田国際空港からドイツ(フランクフル)に入り、フランス、パリと巡るコースだ。
国内では色々な「旅」をしてきたが空の旅はめっぽう疎い。
まぁ〜長期休暇も取れない仕事が多かったし、海外に行く用事も無かったので当たり前かもしれない。
空港までは所沢からバスで向かった。(本当はスカイライナーに乗りたかった)
バスは大きな渋滞もなく成田空港のインターに到着。
インターでは関係者が乗り込んで来てパスポートの提示を求められびっくり!
まもなくバスは発車、ゲートを抜け成田空港に到着した。
今回海外旅行ではどれだけのフィルムを
持っていったら良いか随分迷った。
旅行会社に相談した結果100本の予定だったが
60本のフィルムを国外へ持ち出す事にした。
フィルムはXレイ( 防X線袋 )2袋分になった。
機材は携帯できる範囲で!EOS100 ・
(ストロボが内蔵されているので便利)
17−35mm、28−70mm、70−200mm、
1.4倍/2倍テレコンバーターそして
ベルボンの小型三脚で済ますはずだった・・・のだが
直前にEOS1Nドラ付き(モータードライブ付き)を急遽ギュウギュウのバックに詰め込んだ。
空港で一番不安だったのはなんと言っても手荷物検査。
出来る事ならフィルムをX線検査には通したくない!
フィルムの多さに怪しまれないよう検査官に理由を話した所
特に厳しい検査も無くすんなりフィルムは通過 (o^O^o)
(その時々で検査内容も違うのだろうが)
初海外の私にとっては、ホッと胸をなで下ろす瞬間だった。
検査が済み搭乗口へと向かう。
搭乗口では私が乗ると思われるブルー塗装のボーイング747−400がガラス越しに鎮座していた。
搭乗手続きを経て機内へ。
座席は丁度左翼後部の窓側。
景色を見るには少々難ありだったが
翼の動きも見れるのでまぁ〜ヨシとした。
プッシュバックから離陸までは約20分 (-_-;)
(相変わらずこの辺りはじれたい)
いよいよ離陸。
相変わらずこの瞬間は興奮する。
前項でも話したが、離陸時の狂った加速に脳内にアドレナリンが吹き出す感じだ!
Go!
いつも通りのすさまじいGを感じながら急上昇。
千葉の森を抜け、九十九里を抜け、機体は低層の雲をつき抜けていく。
話しはそれるが
私が初めて飛行機に乗ったのは、約10年前羽田から千歳に向かう時だった。
何もかもが新鮮だった!
離陸時の加速の凄さ、振動、ジェット音さらには飛び立ってからの上昇角度!そしてあの巨体から感じる推進力に惚れてしまった!!
きっと子供の頃に飛行機に乗っていたなら・・・
鉄道の運転士ではなくパイロットを目指した人生があったと思う。
話しを戻し
シートベルト着用ランプが消えた。
どうやら安定飛行に入るったようだ。
機内のシートは前部にあるTVモニターが付いていてゲームや映画を見られるようになっている。
またTVメニューでGPS選択すると地理好きの私にはたまらない高度や位置情報を確認できる。
狭い機内で長時間を過ごすにはこれでネットが出来たらとも思えた。
成田を出て数十分、アッという間に新潟上空!
普段は車の移動なのでこのスピードには呆れるばかり(^^;)
新潟を過ぎると進路は北へ北へ・・・
ロシアのウラジオストック上空を抜けるとシベリア大陸の横断が始まる。
室内では食前のドリンク、そしてメインディッシュとスタッフがサービスをこなしている。
機内での食事も初めてだが、こんなに狭い空間でよくあれだけのサービスが出来るものだと感心する。
味のほうはまぁ〜こんなものかなって感じだった。
ビールで喉を潤いぼぉーっと眼下を眺めていると、ツンドラの大地が雲の隙間から見え隠れしていた・・・
・・・気付くと3時間程寝ていたようだ。
機内はブラインドがすべて下ろされ真っ暗になっていた。
日本時間では夜中の2時頃か?
ブラインドを少し開け窓を見下ろせば、変わらぬ
ツンドラの景色が果てしなく、、、永遠に。
白銀の世界に沈まぬ太陽の強烈な陽射しと
翼からの照り返しで暑さえ感じる。
ふと空虚な気持ちからか戦国時代、歴史の事が思い浮かんだ。
自動車もなく空も飛べない、計測もろくに出来ない時代に
よくこのような広大な地域を守れたものだと。
・・・目が覚めると時間は更に過ぎていた。
ナビを見ると現在フィンランドより
南寄りのコースを飛行中 ( 国名は忘れた _(._.)_ )
ドイツ(フランクフルト)に真っすぐ向かっているようだ。
目もさえてきた頃2回目の食事のサービスが始まった。
眼下にはようやく森の中に小さな街や大きな川が見隠れ。
おおっ「三日月湖!」
昔見た百科事典のまんま!
上空から見下ろす世界は地球の生命が溢れていた。
地平線にハイウェイや工場が見えてきた。
!
突然ベルト着用ランプサインが点灯!なにやら気流が乱れるらしい、、
遠くに見えていた積乱雲がどんどん近づいてくる。
機体がきしみ上下の振動が続く・・・ ( 結構怖い! )
またまた余談だが
数年前羽田から三沢空港に向かう途中突然「ドスン、 ドカン!」と高度が落ちた事がある。
快晴の中まさかって感じで。
さすがにスチュワーデスは真顔に。
それ以来小心者な私はベルトは常時着用するようになった(笑)
・・・わずかな時間だったがさほど大きな乱れも無いままフランクフルト空港への着陸態勢に入った。
雲をかき分けてるのか微動を繰り返す。
機体はどんどん高度を下げていく。
眼下に街が一望出来るようになってきた。
おっお〜線路だ!電車が走ってる!!
??機関車が後ろに付いてる?・・
あぁ〜また列車が・・機関車がまた後ろに付いている。
操車場だ!おお〜長い長い!貨物の編成が異常に長い!!
興奮絶頂の中 「ドッスン!」 と着陸。
無事フランクフルトに到着した。
現地時間15時初めて異国の地に降り立つ私がいた。
成田空港も広いが、ここの空港はさらにデカイ!
(墨田区一つくらいの広さはあるんじゃないのかな?)
乗車してきた飛行機に「ありがとう」の気持ちを伝え
入国検査の審判を仰ぐ。
ドキドキもんの中無事通過。
キョロキョロしながらロビーを歩く視線は360度カメレオンのよう。
おお〜見渡す限り外人だらけ (爆)
これは大変だ!!もう本当に日本語は通じない(T_T)
かなりビビリながら荷物を引き取りバス乗り場へ・・
空港内のバス停では当たり前のエンジンストップにはモロ感動!
みんなが特別ではない「当たり前の行動」をしている。
一人一人の意識の高さに驚いた。
そして現れる車はベンツ、BMWが当たり前 ( 笑 )
そうこう感動している間に私の乗るバスは郊外のホテルへと向かって走り出していた。
フランクフルトからバスで約30分、郊外の静かなホテルに到着。
チェックインを済ませ部屋でくつろごうかと思ったものの17時を過ぎたのに陽はまだ高い。
「あっそうか!」
考えてみればここは北海道よりも緯度が高いので夏場は夜が遅い、「白夜」みたいなもんなんだと理解。
それじゃぁ〜寝るのはもったいない!
早速タクシーを呼んでもらい、カメラ片手に 最寄の大きな駅に向かってもらった。
ホテルから約15分、路面電車が行き交う隣街に到着。
タクシーが止まるやいなや猛ダッシュで駅に駆け込みたい所だが冷静を装い下車。
ガイドブックには国外では肖像権が厳しいと聞いていたので
おそるおそるビビリながら撮影開始。
(いきなり何撮ってんだと怒られたら大変!)
まずは駅前の外観から「パシャ!」
(駅というよりもステーションという言葉が似合う)
・・・ 「早くホームに行きてぇ〜」
さぁ〜次回からは、鉄っちゃん道中が始まります(^^)/
この紀行文はすべてフィクションであり実在の人物・実在の話しとは異なります。
「セリカのヨーロッパ探検紀行」その1 終わり
羽越のセリカ